2025/05/05
生前贈与とは?メリット・デメリット、注意点を解説します。
神戸市中央区にある行政書士事務所の、REC+行政書士事務所です。
最近よくご相談をうけるのが生前贈与です。
今回は、相続対策として注目されている「生前贈与」について、そのメリット・デメリットから注意点まで、行政書士の視点から分かりやすく解説いたします。
生前贈与とは?相続との違い
生前贈与とは、被相続人(亡くなった方)が生前に、自身の財産を相続人や第三者に対して無償で譲り渡すことです。
相続は、被相続人の死亡によって財産が包括的に承継されるのに対し、生前贈与は、被相続人が生きている間に特定の財産を特定の相手に意図的に移転させるという点で大きく異なります。
<生前贈与のメリット>
生前贈与には、以下のようなメリットがあります。
1. 相続税の節税効果
相続税には基礎控除額があり、これを超える財産に対して課税されます。生前贈与を利用することで、将来の相続財産を減らし、相続税の負担を軽減できる可能性があります。特に、年間110万円までの贈与であれば贈与税はかかりません(暦年贈与)。
2. 遺産分割の紛争を予防
生前に財産を渡しておくことで、相続発生後の遺産分割協議が不要となり、相続人間での紛争を避けることができます。特に、特定の財産を特定の相続人に渡したい場合や、事業承継などで特定の子供に財産を集中させたい場合に有効です。
ただ、生前贈与をすることにより相続発生時に、相続人間の感情を逆なでするような結果になることもありますので注意が必要です。
3. 特定の相手に財産を渡せる
遺言書でも財産の承継先を指定できますが、遺留分という相続人の最低限の取り分が保障されています。生前贈与は、この遺留分の制約を受けにくい形で、特定の相手に確実に財産を渡すことができます。
4. 贈与者の意思を尊重できる
ご自身の判断能力があるうちに、誰に何を渡したいのかという意思を明確に示し、実現することができます。感謝の気持ちを伝えながら財産を渡すこともできるでしょう。
5. 相続財産の流動性を確保
不動産などの分割しにくい財産を生前に現金化しておき、贈与することで、相続発生後の財産管理や納税がスムーズになることがあります。
<生前贈与のデメリット・注意点>
一方で、生前贈与には以下のようなデメリットや注意点も存在します。
一方で、生前贈与には以下のようなデメリットや注意点も存在します。
1. 贈与税がかかる場合がある
年間110万円を超える贈与には、贈与税が課税されます。税率は贈与額や贈与者・受贈者の関係性によって異なりますが一般的に相続税より贈与税の方が税金が高くなります。
2. 相続税の節税効果が薄れる可能性
相続開始前3年以内(または7年以内)の贈与は、相続税の課税対象となる場合があります(持ち戻し)。税制改正により、この期間は段階的に延長されていますので注意が必要です。
3. 贈与後の撤回が原則としてできない
いったん贈与が成立すると、原則として贈与者の都合で撤回することはできません。将来の生活設計を十分に考慮する必要があります。
4. 不動産贈与の場合の手続きと費用
不動産を生前贈与する場合、名義変更の手続き(所有権移転登記)が必要となり、登録免許税や司法書士への依頼費用が発生します。
5. 相続人間の不公平感を生む可能性
他の相続人に生前贈与の事実が十分に伝わっていない場合や、贈与額に偏りがある場合、相続発生後に不公平感が生じ、紛争の原因となることがあります。
6. 贈与契約書の作成が重要
口約束だけでなく、贈与契約書を作成し、贈与の事実を明確にしておくことが重要です。後々のトラブルを防ぐとともに、税務署への証明にもなります。
生前贈与を検討する際のポイント
生前贈与を検討する際には、以下の点を考慮することが大切です。
①贈与の目的を明確にする
なぜ生前贈与を行いたいのか、目的を明確にしましょう。(例:相続税対策、特定の人への財産承継など)
②贈与する財産を選ぶ
財産の種類や評価額、将来の価値変動などを考慮して、適切な財産を選びましょう。
③贈与の時期と方法を検討する
贈与税の非課税枠の活用や、相続税の持ち戻し期間などを考慮して、適切な時期と方法を選びましょう。
④他の相続人への配慮
生前贈与を行う場合は、他の相続人にも事前に説明し、理解を得ておくことが望ましいです。
⑤専門家への相談
税金や法的な手続きについては、税理士や行政書士などの専門家に相談することをおすすめします。なお、贈与税や相続税のシミュレーションは必須となりますのでご自身で税務署にご確認されるか提携している税理士を紹介させていただくことも可能です。
当事務所のサポート
当事務所では、生前贈与に関する以下のようなサポートを行っております。
①生前贈与に関するご相談
お客様の状況やご希望を丁寧にお伺いし、最適な生前贈与プランをご提案いたします。
②贈与契約書の作成
法的に有効な贈与契約書を作成し、後々のトラブルを防止します。
③不動産贈与の手続き
不動産の名義変更手続き(所有権移転登記)を提携する司法書士に依頼します。
④相続対策全般のご相談
生前贈与だけでなく、遺言書の作成など、相続対策全般についてサポートいたします。
生前贈与は、適切な方法で行うことで、相続対策として有効な手段となります。しかし、注意すべき点も多くありますので、専門家のアドバイスを受けながら慎重に進めることが大切です。特に税金面についてはいったいどの税金がいつどれくらいの金額がかかるかなど、個人の方ではなかなか難しいかと思われます。
不動産については贈与税の他に登録免許税や不動産取得税もかかります。不動産取得税については自己居住用であれば課税されないケースもあります。
実際にどれくらいの税金がかかるかということを理解して、それでも生前贈与をするメリットがあるのかどうかきちんと判断することが重要です。
生前贈与についてご不明な点やご不安なことがございましたら、お気軽にご相談ください。初回相談は無料です。ご相談の結果、生前贈与を取りやめるという結論となっても当事務所はかまいません。
重要なことはご自身に沿った適切な手続きをすることであり、当事務所はその伴奏支援をすることを職務としています。
こんなこと相談してもいいのだろうかとお思いの状態でも結構です。まずは専門家であるREC+行政書士事務所にご相談いかがでしょうか。
まずは、下記よりお問い合わせください。
REC+行政書士事務所は神戸市中央区元町にある行政書士事務所です。
当事務所はスピード感のある対応を心掛け、お客様に寄り添ってご相談に柔軟に対応致します。
個人様に関しては相続・遺産承継 や遺言作成、生前贈与手続き信託について、法人様については建設業許可申請 、宅地建物取引業免許申請 、法人設立など、様々な業務に対応致します。
これからもよろしくお願いします。